「メモを貼るだけで表になる」という話を、このところあちこちで見かけます。
わたしも月末に、ためこんだ支払いのメモを表に打ち直しています。正直これがいちばん面倒なので、試してみました。
まず、紹介でよく見るような、きれいな5行のメモを作りました。日付も金額も書式がそろっているものです。これを「日付・品目・金額の3列の表にして」と頼んで、3回流しました。
3回とも、中身は同じ表が返ってきました。速いし、正確です。ただ1回だけ、表の前に一言添えてあり、頼んでいない合計の行まで足されていました。中身がそろっても、見た目までは揃わないようです。この時点では、もう打ち直さなくていいなと思っていました。
自分のメモに替えたら、数が合わなかった
次に、実際にたまっている形のメモを18行ぶん用意しました。「9/1」と「9月2日」が混ざり、金額に円が付いたり付かなかったり、行末に「※半日」「領収書あり」といった書き込みが残っているものです。
返ってきた表は、ぱっと見ちゃんとしていました。書式のばらつきはきれいにそろえてあります。ここで手を止めていたら、「実務でも使える」と書いていたと思います。
念のため行数を数えたら、17行でした。元は18行です。
消えていたのは「9/12 会議室 5,000円 → キャンセル」の行でした。たしかに表に入れない判断はありえます。でも、消したとはどこにも書いてありません。黙って減っていました。
気になったので、同じメモをあと2回流しました。
| 流した回 | 返ってきた行数 | 金額の合計 |
|---|---|---|
| 1回目 | 17行 | 50,900円 |
| 2回目 | 17行 | 50,900円 |
| 3回目 | 16行 | 50,900円 |
3回目だけ、もう1行減っています。「9/18 消耗品 いくらか忘れた」の行でした。1回目と2回目は金額を空欄にして行は残していたのに、3回目は行ごと落ちています。
合計が3回とも同じだったのが、いちばん怖かった
表の右の列を見てください。行数が違うのに、合計は3回とも50,900円で同じです。
消えたのはキャンセル分と、もともと金額が書かれていない行です。どちらも足し算には出てきません。つまり、合計を突き合わせるやり方では気づけません。わたしはいつも合計で照合していたので、これは背筋が寒くなりました。
書いたあとで、もう一度流したら減らなかった
ここまで書いてから、翌日もう一度確かめました。Claude Code を新しい版にして、同じ形のメモを組み直し、モデルも変えて計6回流しています。
今度は6回とも18行そろって返ってきました。1行も減りません。しかも毎回、表の下に「9/12はキャンセルなので集計に含めるか確認してください」「9/18は金額が不明です」と書き添えてあります。黙って減らすどころか、迷った2行をこちらに指してきました。
拍子抜けしましたが、安心はしませんでした。減らない回があるなら、減る回もあります。どちらが出るかは流すまで分からない、というのがいまの見え方です。
一方で、品目の書き方が回ごとに揺れるほうは6回でもそのままでした。同じ1行が「打合せ(お茶代)」「打合せ お茶代」「お茶代(打合せ)」と3通りに割れています。ただ、さらに翌日に流し直すと、今度はどの回も同じ書き方にそろいました。ここも出たり出なかったりのようです。あとで並べ替えたり検索したりするときに効いてきそうです。
できるかどうかで言えば、できています。書式のばらつきをそろえるところは、自分で打ち直すより速いです。
ただ、落ちたのは「判断が要る行」ばかりでした。キャンセルになった、金額が分からない。そういう行こそ、あとで自分が確かめたい行です。手がかかるところだけが残る、という感じがします。
それで、渡す前に元のメモの行数を数えておくことにしました。返ってきた表と合わなければ、どこが消えたのかを探します。10秒もかかりません。合計より先に行数、という順番に変えました。
「できるようになった」と「実務で使える」の間にあるのは、難しさの差ではなく、間違いに自分で気づけるかどうかの差なのだろうと思っています。しばらくこのやり方で様子を見ます。