月末に、たまった支払いのメモを集計する作業があります。メモを表に打ち直させる話は前にも試していて、そのときは行が1つ消えていました。今度は合計です。
「AIは計算が苦手」とよく聞きます。だからきっと足し算を間違えるのだろうと思って、それを探すつもりで始めました。
まず、日付と品目と金額だけの18行のメモを作りました。「合計額だけを数字で答えて」と頼んで、6回流します。電卓にあたるものは使わせていません。
6回とも合っていました。
難しくしてみます。「単価148円 × 24冊」のように、その場で掛け算が要る行を混ぜ、さらに「※私費」と書いた行は除いてもらいます。これも6回。やはり6回とも合っていました。
探していた計算間違いが出てきません。正直、ここで手が止まりました。
ずれたのは、足し算ではなかった
そこで、実際のメモにありがちな書き込みを足しました。こういうものです。
「タクシー 3,120円(うち1,200円は8月分)」 「懇親会 5,000円(あとで全額返金された)」
同じように6回聞いたら、5回が70,897円、残りの1回が77,097円でした。差は6,200円。全体のおよそ8%です。
中身を見ると、計算はどちらも合っていました。5回のほうは8月分の1,200円を引き、返金された5,000円を落としています。1回のほうは、書いてある数字をそのまま足していました。どちらの読み方もありえます。わたしは、どちらにしろとは言っていません。
こわかったのは、そこではありませんでした。何を除いたかを添えてきたのは、6回のうち3回だけです。残りの3回は、数字だけが返ってきます。「合計額だけを数字で答えて」と頼んだのはわたしなので、言われたとおりではあります。ただ、そのひとことで判断の跡まで一緒に消えるとは思っていませんでした。あの1回を受け取っていたら、6,200円多い合計をそのまま使っていたと思います。
判断を先に決めておいたら揃った
「カッコ書きの注記は無視して、行に書いてある金額をそのまま足してください。差し引きや按分はしないでください」と足して、4回流しました。4回とも77,097円でした。
引くほうを選びたいなら、そう書けば同じことのようです。どちらが正しいかではなく、どちらにするかを自分が決めているかどうかが分かれ目でした。
なので集計を頼むときは、合計の数字を見る前に、カッコ書きや但し書きが混ざっていないかを先に見ることにしました。混ざっていたら、それをどう扱うかを1行足す。数字を検算するより、こちらのほうが早く効きました。
計算を疑っていたのに、見るところが違っていたわけです。しばらくこのやり方で様子を見ます。