使い方の勘所

「簡潔に要約して」をやめて字数で頼んだら、半分になりました

打ち合わせのメモを要約させるとき、依頼文の末尾にずっと「簡潔に」と書いていました。返ってくる長さが毎回ばらばらで、決まった枠に貼ると溢れたり余ったりします。そもそも「簡潔に」が何字のつもりで受け取られているのか、考えたことがありませんでした。

それで、同じメモを3通りの頼み方で流して数えてみました。「簡潔に要約して」、「120字以内で要約して」、「3行で、各行40字以内で要約して」の3つです。3種類のモデルで各3回、合わせて27回。

数を出したら、半分になった

頼み方9回の字数(最短/中央/最長)返ってきた形
簡潔に208 / 242 / 256見出し付きの箇条書き、6〜12行
120字以内で81 / 116 / 1301行
3行・各行40字以内で77 / 117 / 211ほぼ3行

「簡潔に」は、9回とも200字を超えました。わたしが頭の中で思っていた「簡潔」は120字くらいだったので、倍です。しかも毎回、見出しと箇条書きが付いてきます。短くしてほしかったのに、読みやすく整えるほうに解釈されていたようでした。

数を出したら、たしかに半分になりました。ただ、ぴったりではありません。「120字以内で」と頼んだ9回のうち3回は120字を超えていて、いちばん長い回で130字でした。このときは10字ぶんの超過でしたが、日を改めて別のメモで流し直したら152字まで伸びた回がありました。枠に必ず収まる、という使い方はできないことになります。

はみ出した3回は、たまたま散らばっていたのではありませんでした。3種類のモデルのうち1つは3回とも120字より短く、中央で91字。残りの2つは中央が119字と129字で、120字を超えた3回はこちらから出ています。同じ「120字以内で」でも、余裕をもって切り上げるものと、ぎりぎりまで詰めてくるものがあるようです。字数で頼むときは、道具を替えた時点で寄り方も替わると思っておいたほうがよさそうでした。

「(118字)」と添えてきたので、数えてみた

途中で手が止まったのがここです。

要約の末尾に「(118字)」と、自分で数えた字数を添えてくる回がありました。親切だと思って、こちらでも数え直したら129字です。11字ちがいます。

気になって、字数を添えてきた回を全部数えました。5か所あって、ぴったり合っていたのが2か所、1字ちがいが1か所、5字と11字ずれていたのが各1か所。添えられた数字のほうを信じて枠へ流し込むと、たまに溢れるわけです。

そういえば、はみ出した行にも似たところがありました。「3行で」と頼んだのに4行や5行で返ってきた回があって、増えた行を読んだら要約ではなく「3行に収めるため、採用面接の候補日は落としました」という断り書きです。40字を大きく超えていた行も、ほとんどがこの断り書きのほうでした。要約そのものは、だいたい指示どおりの長さに収まっています。

字数を溢れさせていたのは要約ではなく、要約に添えられた説明のほうだった、ということになります。ここは予想していませんでした。数を守ろうとした結果、守れなかった理由の説明が増えて、全体としては長くなる。言われてみれば人間もやります。

いまは、貼り先が決まっている作業では「120字以内で」と数を書いたうえで、「補足や断り書きは付けないで」を足すようにしました。それでも溢れる回はあるので、最後は自分で見て切ります。数字は目安として効く、くらいに思っておくのがよさそうです。

「簡潔に」と書くのはやめました。相手の「簡潔」と自分の「簡潔」が倍ちがっていたので、あの一言には結局なにも頼めていなかったことになります。しばらくは数で頼む形にして、様子を見ます。